Historyかものはしの歴史
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2001年
活動の原点
村田が世界の「こどもが売られる問題」と出会い、神奈川県横浜市で開催された「第2回児童の商業的性的搾取に反対する世界会議」にこども・若者代表として参加した。
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2002年
かものはしプロジェクト結成
東京大学で行われたシンポジウムをきっかけに、青木・村田・本木が出会う。「この世界からこどもが売られる問題をなくしたい」という村田の想いに動かされ、「ボランティアでなく社会起業でこの問題に取り組もう」と任意団体を立ち上げた。ディスカッションを重ね、事業モデルを模索する日々が始まる。
カンボジアでの事業を立案2002〜2003年
こどもが売られる問題が激的に悪化していたカンボジアから事業を行うと決め、ITを軸とした自立収益型(自分たちで活動資金を調達する)事業モデルを立案、日本での事業を開始。
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2003年
当時のカンボジアの状況
10歳未満のこどもを買うことはとても容易でした。こどもを買いたい日本人の間では「カンボジアは楽園だ」と表現されていました。被害者の数は闇の問題ゆえにはっきりしませんが、数千人から数万人が被害にあっていたといわれています。
「ソーシャルベンチャーコンペティションSTYLE2003」で優秀賞受賞、「NEC社会起業塾」にも参加しました。
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2004年
初の現地事業をスタート
IT事業部の国内売り上げに支えられ、カンボジアに駐在員2名を派遣し、プノンペン事務所を開設。孤児院に保護されたこどもを対象にExcel、Word、HTML構築などを4か月で学ぶパソコン教室をスタート。2007年5月までに延べ約200人のこどもが参加、孤児院からホワイトカラーの仕事に就くこども、海外の大学進学を果たすこどもも現れた。
サポーター会員制度がスタート。初年度から、数十名の方が会員になってくださいました。
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2005年
最貧困層支援にシフト
ITを通じた活動の意義を実感しながらも、よりこどもが売られてしまう危険が高い層=農村部の最貧困層への支援にシフトすることを長い議論の末に意思決定。パソコン教室と並行して、新たな支援事業モデルを模索し始める。
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2006年
国連の調査報告書が発表される
国連が「こどもに対する暴力に関する調査報告書」を発表。この報告書を含む数々の調査が、性目的の人身売買やインターネット上のこどもポルノに関する犯罪が増加していることを警告しています。
村田が日経WOMAN主催「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2006」リーダーシップ部門を史上最年少で受賞しました。
村田が、TOYP(ジョン・F・ケネディやジャッキー・チェンも受賞している、世界で最も突出した若者たちに送られる賞)を受賞しました。トルコで行われた表彰式でかものはしの活動についてスピーチし、スタンディングオベーションを受けました。
コミュニティファクトリー創業2006〜2007年
カンボジア王国シェムリアップ州のアンコールワット遺跡近郊で、職業訓練とい草を使った雑貨工房であるコミュニティファクトリーを現地NGOと協働で立ち上げ。初年度は38名の訓練生を迎えた。
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2007年
学生ボランティアチーム
「ゆるかも」が発足しました。 -
2008年
独自のファクトリーを立ち上げ
現地NGOとの運営方針の違い(かものはしが目指すのは、単なる援助ではなく自立支援)から、独自運営のコミュニティファクトリーを新たに立ち上げる。訓練生14名を迎え、識字教室も開始した。
サポーター会員が1,000人に!
世界会議の開催
第3回こどもと青少年の性的搾取に反対する世界会議がリオデジャネイロで開かれ、140カ国から3,000名以上が議論に参加。村田も日本から参加。
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2009年
孤児院・警察支援に着手
より多くのこどもたちを守るために、人身売買の被害者やリスクの高いストリートチルドレンを保護する孤児院と、カンボジア政府やUNICEFが共同で取り組む警察支援プロジェクト(LEAP)の支援に着手。資金とノウハウ提供の両面からサポートをおこなう。
書籍「いくつもの壁にぶつかりながら」を
PHP研究所より出版 -
2010年
カンボジア以外での活動を視野に調査開始
カンボジアの被害状況が落ち着きはじめたことから、国際NGOと連携して近隣他国の調査を開始。インド、バングラデシュ、ケニアなどの現地を視察し、かものはしが培ってきた問題解決のノウハウを他国に展開することも模索し始める。
社会人ボランティアコミュニティ「かもカフェ!」が発足しました。
カンボジアでの問題が、
急速に解決に向かう説明:最近10年のGDP伸び率は平均7〜8%。こどもを売らねばならないほど貧しい家庭が減ったこと、警察の執行力の向上など様々な要因から、カンボジアでこどもを買うことはこの2,3年で非常に難しくなりました。
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2011年
順調な推移、そして決断
コミュニティファクトリーの訓練生が約90名まで増え、地域の最貧困層をほぼカバーできたこと、地元マーケットに直営店をオープン、警察支援プロジェクト(LEAP)が効果を発揮するなど、すべての事業が順調に歩みを進める中、活動資金調達の役目を終えつつあるIT事業の解散を決断。
村田が、ジョンソン・エンド・ジョンソンによるヘルシー・ソサエティ賞を受賞し、皇太子殿下に謁見しました。
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2012年
活動10年、新たにインドで活動開始
2010年から調査を進め、2012年6月の総会でインドで活動を行うことを会員のみなさまと決定。2012年は調査を継続しつつ、同分野で活動するインドの6団体とパートナーシップを組みプロジェクトを実施。
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2013年
サポーター会員が3,000人に!
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2014年
孤児院支援終了
タイとの国境近くの危険地域といわれている町ポイペトにあるドムノータック孤児院の50人のこどもたちを毎年継続的に支援することができ、計画していた5年間の支援を無事に終了しました。
インドでの問題解決の戦略を実行
これまで調査を進めてきたインドで、問題解決の戦略を描き、それを実行し始めた。マハラシュトラ州と西ベンガル州を結ぶインド最大の人身売買ルートにおける被害者を減少させるために、被害者に寄り添う「被害者の心理回復モデル」と、インドでのこどもが売られない社会の「仕組み作り」を軸に活動。
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2015年
コミュニティファクトリーの
自立を決定カンボジアの問題解決が進み、今後の方向性を模索する中で、インドに経営資源を集中することを意思決定し、2017年度のコミュニティファクトリーの自立化を決定。
インドでの新法制定の動き
人身売買に関連する新法「人身売買法」がインドで制定される動きがはじまる。この法律の制定により、サバイバーが自分の正義を取り戻すための仕組みができる可能性が見えてきた。かものはしもこの法律を重要視しつつ、活動を継続。
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2016年
警察支援終了
2009年から2015年の6年間をかけて、現場警察官のトレーニング、警察官の評価の仕組みづくり等の性犯罪者を取り締る能力向上を実施し、一定の成果を収めることができました。
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2017年
新しいブランド「SUSU JOURNEY FROM/TO CAMBODIA」が誕生しました。今までと変わらずカンボジアの特産「い草」をデザインに取り入れながらも、レザーなどの新しい素材にも挑戦してデザインを一新。
※2018年2月からは「SALASUSU」として、さらに商品がリニューアルしています!サポーター会員が6,000人に!
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2018年
カンボジア事業終了
かものはし設立当初から活動していたカンボジア事業を2018年3月末で終了しました。カンボジアでの「こどもが売られる問題」が大幅に減ってきていること、そしてカンボジアの社会にコミュニティファクトリーが根差し、社会的な意義を見出しつつ新たなミッションの元で事業を継続、拡大していきます。
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2019年
新たに日本で活動開始
2019年6月の総会にて、日本での活動を試験的に開始することを会員のみなさまと決定。海外で活動を続ける一方で、ずっと気掛かりだった日本のこどもを取り巻く状況。目を背けられないほど深刻になってきている日本のこどもたちへの虐待やこどもをとりまく貧困に対して、かものはしとして何ができるのか調査を継続しつつ、同分野で活動する日本の団体とパートナーシップを組み、複数のプロジェクトを実施。
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2021年
サポーター会員が15,000人に!
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2022年
活動から20年、ミッション変更
「だれもが、尊厳を大切にし、
大切にされている世界を育む」「こどもが売られない世界をつくる」を掲げてカンボジアやインドを中心に活動をしてきました。活動開始から20年、世界中のたくさんの方の努力と活動が実を結び、こどもが売春宿に売られる問題は少なくなってきました。その一方で、目を背けられないほど深刻になっている日本のこどもを取り巻く悲しい現実。こどもの虐待や貧困をはじめとした、理不尽な社会課題の背後にある本質は何か。私たちは「尊厳」という言葉にたどり着きました。私たちは、誰もが生まれながらにして持っている、「人」としての「尊厳」を、誰もがお互いに大切にしあえる社会をつくりたい。その思いを込めて、新ミッションを制定しました。
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2023年
新団体ロゴ・
キャッチフレーズを変更ミッション変更にあわせて、団体ロゴ・キャッチフレーズを変更。自分たちが、あらゆる事柄や人の「かも(=可能性)」の「はし(=架け橋)」になりたい、という思いを込めて、橋をイメージできるロゴに変更しました。新キャッチフレーズは「こどもの虐待や貧困、なんとかしたいを大きな力へ変えていく〜こども、尊厳、市民の力〜」。今自分たちの社会にあるたくさんの困難の中でも特にこどもの虐待や貧困をなんとかして、皆さんと一緒に取り組むことで大きな社会のうねりをつくっていきたい。そんな思いが込められています。
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2024年
困難を抱えた
妊産婦さんのための居場所
「ふたやすみ」の立ち上げ日本事業で困難を抱えた妊産婦を支援する居場所事業をスタート。千葉県松戸市のNPO法人さんまとともに、サポートを必要としている妊産婦の方に宿泊・居場所・訪問の3つを通じて関わります。居場所の名前は「ふたやすみ」。この名前には「ひとやすみ」だけでなく、もっとゆっくり休みながら、その人自身が持つ本来の力を取り戻してほしいという願いが込められています。
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20XX年
だれもが尊厳を大切にし、
大切にされている世界をつくる Nurture a world where people value and
respect each other's dignity.