子どもが売られない世界をつくる | 認定NPO法人かものはしプロジェクト

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日本総会

かものはし総会2024レポート【前編】〜ともに社会を変えていくわたしたち〜

こんにちは!ソーシャルコミュニケーション事業部の鳥居です。
いつもあたたかいご支援をいただきありがとうございます。

6月17日(土)に、年に一度のかものはし年次総会を開催いたしました!
今年も対面とオンラインの同時開催で、総勢117名の方々にご参加いただきました。
ご参加くださった皆さん、本当にありがとうございました。
熱気ある当日の様子を前編・後編に分けてレポートします!

 

総会2024のテーマは『ともに社会を変えていくわたしたち』

最初に事務局長 小畠からのご挨拶と、今回の総会のテーマ『ともに社会を変えていくわたしたち』に込めた思いをお伝えしました。

事務局長 小畠瑞代

本日は総会にお越しいただき、誠にありがとうございます。会場に足を運んでくださった皆さん、オンラインで参加してくださった皆さん、いつも応援してくださるサポーター会員の皆さんのおかげで、私たちの事業が前に進んでいることを改めて実感しています。これからも、皆さんとともに事業を作っていきたいと心から思っています。

インド事業は2012年に活動を開始してから12年目を迎えました。今年はインド事業の総括、組織振り返りを実施し、今後の事業展開についての検討をしていく予定です。妊産婦支援やアフターケアと進み出した日本事業、社会課題を伝え仲間を増やしているソーシャルコミュニケーション事業、そして新たに動き出した新規事業といったかものはしプロジェクトの2023年度の活動を担当者より報告してまいります。

 

第1部:各事業報告

各事業の報告では、事業ミッションと2023年度の主な取り組み内容をお伝えしました。対面で皆さんに直接お話しできる場が多くないからこそ、お伝えする担当スタッフの言葉にも熱がこもり、呼応するようにサポーターさんからも多くの声をいただきました。

【1】ソーシャルコミュニケーション事業部


▶️詳細は年次報告書(28〜35頁)にてお伝えしています。
ソーシャルコミュニケーション事業部特集レポートはこちらから


ソーシャルコミュニケーション事業部 マネジャー 南谷 友香

「ソーシャルコミュニケーション事業部のミッションは、『あなた』に伝えて 『わたし』を増やす。わたしには社会を変える力があるんだと信じて、小さなアクションを起こす人を増やすことを目指しています。

このミッションを掲げた背景には、かものはしがカンボジアからスタートして活動を続けていく中で、サポーターさん一人一人の思いに触れ、その思いから生まれるアクションが社会を変えていく力になる、と実感したからです。私たちは本当にそう信じていますし、実感しています。

今年も全国のサポーター会員の皆さんとともに活動していきたいと思っています。夏はオンラインイベントを開催し、9月には大阪、10月には福岡、そして2月には横浜へ皆さんに会いにいく全国活動報告ツアーも企画しています。(イベント詳細)ぜひご参加いただき、皆さんの「なんとかしたい」という思いをお聞かせください。」

【2】日本事業部


▶️詳細は年次報告書(6〜16頁)にてお伝えしています。
日本事業部特集レポートはこちら


日本事業部  妊産婦支援事業 ディレクター 田口陽子

「児童虐待という問題に特に不条理さを感じるのは、世代を超えた大きな困難の連鎖が存在するのではないかということです。児童虐待はある日突然起こることではなく、ご家庭が長らく抱えてきた困難や生きづらさが背景にあります。そして、それは一つの困難ではなく、いくつもの困難が複合的に絡み合っており、さらにそれらは親が若かった頃やこども時代に経験してきたことから引き継がれていることが少なくないです。
これをあえて『困難の連鎖』と呼ぶならば、これを作り出してきたのは家庭ではなく社会の側にあるのではないでしょうか。社会の側というのは、制度や仕組み、そして私たち一人一人の考え方が、困難の連鎖を連鎖たらしめているのではないかと考えています。

一方で、この連鎖を作り出しているのが私たち社会なのであれば、同時に、私たちが社会を変えていくことができるのではないかという思いで、孤立しがちな妊産婦の支援に取り組んでいます。」


日本事業部 児童養護施設などを退所した若者の巣立ちの応援事業
共同創業者 村田 早耶香

「『困難の連鎖』生まないためには、児童養護施設を退所後、安定するまでのサポートがすごく重要です。せっかく先生たちが大事に育てたこどもたちが、卒園後にどうにもならない状態に陥って連絡をくれることがあります。コロナ禍では、1日1食カップ麺で過ごしているという19歳の子がいたり、光熱費が高いのでお風呂は2日に1回しか入れず、身体を拭いて過ごしている若者がいる。東京などの都会ですら、そうした状況になっているのです。私個人としてもこの状況を「なんとかしたい」という思いで模索しながらこの事業を作ってきました。

親を頼ることができない若者たちに『つながりと選択肢を保障する』というのが児童養護施設などを退所した巣立ちの応援事業の目指すところです。私たちの願いは、嬉しいことがあった時に報告する人がいない、という状況ではなく、嬉しいときには一緒に喜びあい悲しい時には一緒に悲しんで、相談したい時には相談に乗ってくれる。そんな当たり前のことが、全国各地どこにいても当たり前にあるような社会にしたいと思っています。

 

【3】インド事業部

▶️詳細は年次報告書18〜27頁)にてお伝えしています。
インド事業部特集レポートはこちら


インド事業部 ディレクター 清水 友美

「ひとつだけ、インドについて覚えて帰っていただきたいことがあります。私たちは2012年から事業を始めました。最初の5年ほどは支援したサバイバーたちが自ら命を絶ったり、命を奪われたり、恒常的にトラフィッカーからの暴力に晒されていたり、自分でやっとニワトリを買ってきて生計を立てようとした矢先に、トラフィッカーがニワトリに毒を撒いてビジネスを潰されたり、そういうたくさんの暴力に晒されて事業を行ってきました。

しかし、その後状況は変わってきています。最近では、私たちの事業地である西ベンガル州の南24区や北24区では、こういった暴力の話を事業関係者から聞かなくなりました。では、それはインドから人身売買がなくなったということを意味しているのか?というと、そうではありません。それは地域を移動しているため、インド全体ではなくなったわけではありません。

ただ、タフティーシュ事業を通じて被害者補償や加害者の訴追を行ったり、リーダーシップネクスト事業ではサバイバーたちがリーダーとして成長したいという思いを持って、毎日喧々諤々、周りのメンバーと研鑽を積んでいます。そのことによって、彼ら彼女たちを取り巻く社会は少しずつ変わっていて、あのような悲しい思いを最近していない、ということを今日は皆さんにお伝えしたいなと思います。

 

【4】新規事業部

▶️詳細は年次報告書(36頁)にてお伝えしています。


新規事業部 ディレクター 本木 恵介

「なぜ、カンボジアでの児童買春問題は解決したのでしょうか?その背景には「市民が立ち上がり、声を上げ、ネットワークをつくった」という事実があります。世界中の市民の動きによって、政府や国連も動きました。その結果として、カンボジア人、日本人、さまざまな国の人が協力しあって、こどもが売られない社会をつくることができたのだと思っています。日本にいると「市民の力って小さいな、ほぼ無力じゃないか」と思うことがあると思います。でも日本においても世界においても、よく見てみると、市民の力が動かした事例もたくさんあるんです。

その最初にソーシャルコミュニケーション事業部の南谷が話したように「なんとかしたい」という思いを大きな力にするために、まず市民の力を強めていきたいと思っています。この新規事業は、「一市民」というよりは、特に「市民社会組織」と呼ばれるNPOの人たちが、さらに発展して、もっともっと連携しあい、大きな流れを作っていくために取り組んでいます。」

第1部:事業報告の質疑応答では、多くの方から質問をいただき、時間ギリギリまでお話をさせていただきました。長年サポーター会員として一緒に活動してくださっている方や、同じエリアでこども支援の活動をされている方など、さまざまな方からの熱い声に励まされました。
ボリュームたっぷりの長丁場にもかかわらず、熱心に耳を傾けてくださり、本当にありがとうございました。レポートの後編では、パネルディスカッションを中心にお届けします。どうぞお楽しみに!

鳥居 真樹Torii Maki

ソーシャルコミュニケーション部

学生時代、姉妹団体ゆるかも、インターンとして活動に参加。東日本大震災を機に「まずは足元の暮らしに向き合いたい」と衣食住にまつわる仕事に就き、農村部での地域おこしや、オーガニックカフェ社員、 伊豆半島の古民家で電気水道ガスのない暮らしを経験する。「どこで暮らしていても、ひとが自分の可能性を諦めない仕事をしたい」と、2021年入職。

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