29
「あなた」に伝えて
「わたし」を増やすソーシャルコミュニケーション事業報告
date2024.8.8
writer南谷 友香
「あなた」に伝えたいのは、わたしたちと一緒にその問題を解決する「わたし」たちになってほしいということ。サポーターになる、寄付する、スタッフになる、ボランティアをする、声を上げる、だれかに伝える、心で祈る。どんなことでも、「あなた」の思い、行動は社会を変える力(=市民の力)になります。みんなが「わたし」になれば、大きな力となって、社会は変わります。だから、わたしたちは、みんなが「わたし」でいる社会を目指して、「あなた」に伝え続けます。
writer
南谷 友香ソーシャルコミュニケーション事業部マネジャー
小学生のころから生まれた環境による機会の不平等に関心があり、大学では社会学を専攻し開発学や国際協力を中心に学びました。その後事業会社2社で企画の仕事と青年海外協力隊の経験を経て、ミッションに共感したかものはしプロジェクトへ入職しました。現在はソーシャルコミュニケーション事業部で社会をつくる仲間作りに取り組んでいます。猫のいる丁寧な暮らしへの憧れから、猫動画と暮らし系の動画を日々チェックしています。
皆さんの「思い」を集め
大きな力に変え
一緒に社会をつくりたい
あなたの思いが誰かの心を、
社会をきっと動かします
長年かものはしではたくさんの方がサポーター会員として応援くださり、2023年度末時点では17,498人もの方々に、活動を支えていただいております。
会員になってくださった方々、かものはしを応援してくださった方々の思いに触れるたびに、社会はきっとよくなっていくという希望を感じます。
私たちが向き合っている社会課題はとてつもなく複雑で大きいですし、国や企業に比べたらお金や人といったリソースは劣ってしまうけれど、NPOには「市民社会」をつくりあげている一人一人の思いという大きな大きなリソースがあります。
サポーター会員の方から時々「自分は無力なので」「少額の寄付ですみません」「現場に行けなくて申し訳ないです」というようなメッセージをいただくことがありますが、課題を知っていただいた、思いをもって1つアクションをしていただいたことが、どれだけ社会に対する影響力のある大きな力なのかを感じていただけたらなと思っております。
NPOで働いているという話をすると、友人や周囲の方から「すごいね、自分にはできない」「想像がつかない」などと声をかけられることがありますが、私も社会を構成する一市民です。
共同創業者の村田の講演では、よく「普通の人が社会を変える」というメッセージを伝えています。普通の大学生だった自分が「なんとかしたい」という思いをきっかけに、その思いを持ち続け、伝え続け、行動し続けることで活動を前進させてきたという話に、内部の職員ながら毎回大変勇気づけられます。何か資格や専門知識を持っている人、特別な人が社会を変えるのではなく、「普通の人」、この社会に生きている私たちに社会を変える力が元々備わっていると思います。
想像してみてください。一人一人が、起きていることを「誰かのせいである」と批判するのではなく、もしかしたら自分の身にも起きているかもしれない、自分にも何かできるかもしれないと思い、小さなアクションを起こしたら…
自身の周りで「なんとかしたい」と思っていることをテーマに対話をしている様子
社会課題は遠い存在で、自分の生活とは関係のないことのように感じることもあるかもしれませんが、実はその社会を作っているのは私たち一人一人。私たちのだれもが当事者であることに気づき、その一人一人がそれまで知らなかった社会課題や、その課題の背景にある構造を知ることから社会の変化が生まれていくと、私は強く信じています。
私たちと同じように社会課題を知り、関心を寄せて、一歩を踏み出し、一緒に歩んでくださる方たちがいることが、私たちの活動の力になっています。お一人お一人の思いこそが社会を変える大きな力です。
かものはしとの接点が自分のもっている思いの力に気づくきっかけになれたらという思いで日々の取組みを行っています。
「全国活動報告ツアー」名古屋にて。今年も全国の皆さまに会いに行きます!
尊厳を大切にしあえる社会を
皆さまとともに育む
コロナ禍も落ち着き、対面でのイベントが叶うようになった2023年度から、サポーター会員さんと直接お会いして、かものはしプロジェクトの取り組む課題や活動の現状を知っていただこうと、「かものはし全国活動報告ツアー」という東京から飛び出して各地の皆さまにお会いしに行く報告会を始めました。
この報告会では、「なぜ会員になってくださったのか」「日本のこどもの問題について思っていること」や「今、なんとかしたいと思っていること」などについて一緒に考えていく対話の時間を持たせていただいております。
2023年度は東京・名古屋で説明会を開催したのですが、かものはしを応援してくださっている背景にある思いや、関心を持っている社会課題、サポーター会員さんご自身が自分のまわりで取組んでいることなど、本当に話が盛り上がりました。その熱量の高さに、暗いニュースも多いけれど、それでもこんな風に考えてアクションを起こしてくださる仲間がいる、と実感し、私たち自身が「社会はきっとよくなる」と信じることができる、希望を持つことができる場となっています。
支援者の皆さまと社会について考える「全国活動報告ツアー」を開催!初回の東京にて
ありたい社会はどんな社会なのか、という真面目な話を、真正面から遠慮なく話し合い、一緒に考えることができるこういった場が、参加された方にとって自分の中にある思いに気づくきっかけとなれたら嬉しいなと思っています。
私たちソーシャルコミュニケーション事業部は、一人でも多くの方に社会課題やかものはしの活動を知っていただき、社会課題を自分ごととして捉えてアクションする人の輪を拡げていくことで、社会を変えていきたいと思い活動しています。
大きな社会課題を目の前にしたときに、一人一人の小さなアクションを無力に感じることもあるかもしれません。
ですが、一人一人の小さなアクションが積み重なり、他の人のアクションと連鎖していくことで、本当にパワフルな社会を変えていく大きな力になると信じています。
皆さんの「なんとかしたい」という思いは社会の財産だと思っています。
「なんとかしたい」思いを持ってくださっている皆さまとともに、どうしたら尊厳を大切にしあえる社会を育んでいけるか、これからも試行錯誤しながら新しい取り組みを続けたいと思いますので、ぜひ一緒に考え歩んでいけたら嬉しいです!
- 人と接する際、相手の尊厳を大切にすることを意識する
- 近所や職場の人など自分の周りで何か困っている人がいたら声をかけてみる
- 社会問題について身の回りの人と話してみる
- ボランティアやプロボノとして活動してみる
- 応援したい活動に寄付をする
友人との会話の中で、人身売買や児童虐待の話が話題になることはなかなかありません。一方で、職場のここを変えたい、子育てがしんどい、この社会制度はおかしいなど、身近な「なんとかしたい」ことについては、よく話をしていることに気づきます。普段の生活の中であなたが気になっていることは何ですか?
特集レポートを読んでの感想、「あなたと一緒に考えたい!」で考えたことを、下記フォームよりお送りください。
感想・考えを送る※本サイト上の掲載情報の著作権は、本団体に帰属するものであり、本サイトの内容をかものはしプロジェクトの許可なく、複製、掲載することを禁止します。本サイトの内容を各種媒体へ転載する場合は、事前にご連絡ください。
date2024.8.8