【妊産婦支援事業】居場所「ふたやすみ」の活動報告 2024年の歩み
date2024.11.27
writer草薙 直基
こんにちは、いつもあたたかい応援をありがとうございます。
妊産婦支援事業部の草薙です。
2024年2月に千葉県松戸市でスタートした妊産婦の居場所「ふたやすみ」。多くの方々とのご縁をいただきながら活動を続けてきました。
ふたやすみは、困難な環境下で奮闘する妊婦さんや産婦さんが、人とのつながりの中で希望を持って人生を歩んでいくことを応援することを目的としています。
関わる妊婦さん・産婦さんが、ひとやすみよりもゆっくり休み、自分らしくいられる時間を過ごすためのパートナーでありたい。そして、それぞれが自分という存在を大切にできるように、という思いから「ふたやすみ」という名前を付けました。(詳細は、ふたやすみ公式WEBサイトをご覧ください。)
2024年2月から11月までの10ヶ月の間に、関係機関や地域の民間団体、又はご本人から合計27ケースの相談があり、そのうち8名の方がふたやすみを利用されています。ふたやすみは、日中の居場所・訪問・宿泊を通じて、妊産婦の利用者とその家庭に関わります。居場所にお越しいただき、ゆっくりお昼ごはんを食べていただいたり、ご自宅に訪問し、家事や育児のお手伝いをしながら、お話をして、共に時間を過ごしています。
ふたやすみでエネルギーと笑顔を取り戻したAさん
(※個人が特定されないよう、一部描写を加工しています)
Aさんは、周囲に頼れる親戚や友人がいない中、家庭内の不和や経済困窮というしんどさを抱えながらも、出産しました。産後もひとやすみする間もなく、生まれたてのこどもと家族の世話に奔走していました。そんな状況を行政に相談したことからふたやすみとつながりました。
ふたやすみのスタッフは、定期的にベビー用品を持ってAさんの自宅を訪問し、家庭の状況や、誰にも吐き出せない「気持ち」をお聴きしてきました。
そんな中で、彼女が「長年できていない」とぽろっと伝えてくれた趣味がありました。
「ぜひ、やりましょう!」と声をかけ、ふたやすみでスタッフが赤ちゃんを抱っこする間、お一人でゆったりと趣味にふける時間を過ごしてもらいました。
ふたやすみと関わる中で、段々と表情にエネルギーが戻り、本来のAさんはこんな方だったんだろうなあという、笑顔を見ることができました。
より充実した環境で、妊産婦さんに利用してもらいたい
現在、母子支援スタッフ、生活支援スタッフとして13名のスタッフが活動しています。母子支援スタッフは、利用者に伴走し、ともに考え、悩み、動く存在です。生活支援スタッフは、家事や育児など、利用者の日常をサポートする役割です。一人一人と向き合って関わっていくため、一度に多くの方にご利用いただくことが難しい状況がありますが、スタッフの採用を含め、体制も少しずつ整えてきました。
2024年8月には、新しい拠点へ移転しました。最初の拠点は、1LDKの小さなスペースでしたが、現在の拠点は3階建てで、事務所スペース、共有スペース、宿泊可能な部屋が2世帯分あり、より充実した環境で活動を行うことができています。
今後は、さらに体制面を整えていきながら、現時点ではまだ開始できていない「宿泊」をスタートさせ、必要とされる方とつながり、力になりたいと考えています。
国レベルでは、2024年4月に施行された児童福祉法の改正により「妊産婦等生活援助事業」という妊産婦の生活支援に対する公的な制度がスタートしました。ふたやすみも、自治体と共にこのような事業を実施していく可能性も視野に入れています。他地域の妊産婦支援の団体とつながり、情報交換をしていきながら、妊産婦支援の機運を高め、どうすれば全国に妊産婦の居場所を増やしていけるかという点についても取り組んでいきたいと思っています。
物品寄付のお願い
「ふたやすみ」では、活動に必要な物品の寄付を募集しています。皆さまのお力添えが、より多くの妊婦さんや産婦さんの支えとなります。ぜひご協力いただけますと幸いです。
寄付の詳細については、以下の記事をご覧ください。
引き続き「ふたやすみ」の活動を温かく見守り、応援いただければ幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
writer
草薙 直基妊産婦支援事業部
人材紹介会社での法人営業の仕事を経て、2014年にかものはしに入職しました。かものはしでは、もともと資金調達の担当をしていましたが、今は妊産婦の居場所作りをしています。これからのことを前向きに捉えられる瞬間が多くの人に訪れるようにしたいという思いで活動しています。HIPHOP(ラップ)が好き。楽器はピアノを練習中です。