【寄付月間2024】児童虐待の背景にある親の孤立を防ぎたい。
date2024.12.10
writer早瀬 真理絵
いつもかものはしプロジェクトへの温かいご支援をいただき、誠にありがとうございます。
かものはしでは12月「寄付月間※」に合わせて、かものはしが日本で取り組む課題についてお伝えし、ご支援のお願いをしています。
※日本の寄付の文化を広めていくための取り組みとして、毎年12月に行われています。詳しくはこちら
児童虐待の背景にある親の孤立
日本では、年間約50人※のこどもたちが虐待死に至っているという悲しい現状があります。
このような悲しい事件をニュース等で目にすると、親の責任のみを追求するような声も耳にします。
実は、深刻な虐待に至ってしまった人たちの多くが、出産以前からさまざまな困難を抱えていたことがわかっています。
経済的困難、精神的不安定、予期せぬ妊娠やDVなど…
複雑な事情を抱えているにも関わらず、頼れる家族がいない、行政に助けを求められない等、社会から孤立した状況だったという特徴があります。
彼女たちが、誰かとつながり、誰かが寄り添えていたら、彼女たち、またこどもたちにとって違った未来があったかもしれません。
※心中による虐待死を除く。こども家庭庁発表 「こども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第20次報告)(令和6年9月)」
2024年、「ふたやすみ」の運営開始と移転
妊娠期からの社会とのつながりを育むことが、誰かに頼っても良いという心の余裕を生み、虐待の予防につながるのではないか。
そんな考えのもと、2024年2月、孤立しがちな妊産婦が安心して過ごし、誰かとつながることができる居場所「ふたやすみ」の運営を千葉県松戸市で開始しました。
2024年2月から11月までの10ヶ月の間に、関係機関や地域の民間団体、又はご本人から合計28ケースの相談があり、そのうち8名の方がふたやすみを利用されています。
ふたやすみは、日中の居場所・訪問・宿泊を通じて、妊産婦の利用者とその家庭に関わります。
居場所にお越しいただき、ゆっくりお昼ごはんを食べていただいたり、ご自宅を訪問して家事や育児のお手伝いをしながら、お話をしてともに時間を過ごしています。
周囲に頼れる親戚や友人がいない中、家庭内の不和や経済困窮というしんどい状況や誰にも吐き出せない「気持ち」をお聴きします。
「ふたやすみ」との関わりの中で少しずつ、表情にエネルギーが戻り、本来の笑顔が見られるようになりました。
(※個人が特定されないよう、一部描写を加工しています。)
2024年8月には、新しい拠点へ移転しました。
最初の拠点は、1LDKの小さなスペースでしたが、現在の拠点は事務所スペース、共有スペース、宿泊可能な部屋(2世帯分)を分けることができ、利用者さんがより過ごしやすい環境となりました。
今後は、ふたやすみで利用者さんに向き合うことを続けながら、自治体との協働や、他の妊産婦支援の団体との連携を深め、「ふたやすみ」を超えて妊産婦支援の機運を高めていきたいと思っています。
ふたやすみ現場責任者 石濱より
事業の立ち上げからこれまで、ふたやすみメンバーは奔走してきました。
「私たちのサポートは、この利用者さんにとって良いことなのだろうか」「ふたやすみには何ができるだろうか」
日々の一つ一つの選択に迷い、チームで議論しながら進めてきましたが、ときには後悔をすることも、力不足を実感することもあります。
それでも、利用者さんのその方らしさが垣間見える瞬間や、前に向かうエネルギーを感じるときがあり、私自身はそういった場面に支えられています。
ふたやすみの先で、利用者さんが願う人生に少しでも近づけるように。そして、その先にあるこどもたちの未来へとつながることを、これからも信じて進んでいきます。
この活動を支えてくださる皆さまのご支援に感謝申し上げます。
ご支援のお願い
1年の締めくくりに、寄付で活動を応援してくださいませんか?
重ねてのお願いとなりますが、可能でしたら、都度のご寄付も大きな力になりますのでご検討ください。
※12月中の都度のご寄付はすべて日本事業にあてさせていただきます。
※2024年分として税制優遇(寄附金控除)を受けるには、12月以降のお申込は「銀行振込」をお選びください。
ボランティアに参加する
12月21日(土)にボランティアデイを開催します!ぜひ、かものはしの事務所に集まって、みんなでボランティアをしませんか?
SNSでシェアする
SNSのシェアや発信、また周りの方にお話しすることで、課題を広めるお手伝いをしてくださいませんか?
writer
早瀬 真理絵ソーシャルコミュニケーション事業部
小学生の時期をアフリカで過ごしたことが、国際協力のキャリアを目指したきっかけ。民間企業および省庁での勤務の後、家族の海外駐在で専業主婦となり、アイデンティティクライシスに陥ったこともありました。帰国後は、社会課題の解決を仕事にするという決意を胸に就活を行い、かものはしの組織文化と個性豊かなメンバーに惹かれ、2018年に入職。WEBを通じた広報や資金調達などを主に担当しています。自転車での保育園送迎での子どもとの会話が日々の癒しです。