【寄付月間2024】親に頼れない若者が安心して生きられる社会を目指して
date2024.12.23
writer早瀬 真理絵
いつもかものはしプロジェクトへの温かいご支援をいただき、誠にありがとうございます。
かものはしでは12月「寄付月間※」に合わせて、かものはしが日本で取り組む課題についてお伝えし、ご支援のお願いをしています。
※日本の寄付の文化を広めていくための取り組みとして、毎年12月に行われています。詳しくはこちら
contents
誰にも頼れず、生きていく孤独と不安
虐待を経験し、児童養護施設などで育ったこども・若者たちは、18歳になると、高校卒業と同時に施設などを出ることがほとんどです。
頼れる実家がない多くの若者たちは、経済的な後ろ盾も、ちょっとした相談をする相手も、無条件に頼れる人もいません。
保証人が立てられず、住む家がなかなか見つからない…
収入は、アパート代や学費等に消え、食費を切り詰める毎日…
職場のちょっとしたトラブルから、トラウマなど心の傷の再発…
高校を出たばかりの若者が誰にも頼れない不安と孤独の中で、必死に人生を切り開こうとしているのです。
若者が安心して巣立つことができる社会を目指して
かものはしプロジェクトは、このような若者たちが、出身の児童養護施設や支援団体などとのつながりを持ちながら、安心して巣立つことができるような社会の仕組みづくりに取り組んでいます。
今年の4月からは、親や家族に頼ることができない人たちをサポートする団体の全国ネットワーク「えんじゅ」の事務局として活動をはじめました。
「えんじゅ」の活動の中で見えてきたこと
えんじゅの事務局を担ったことで、困難な環境下にいる若者たちへの支援の状況や課題が見えてきました。
このような若者を支援する事業の実施状況を調査したところ、全都道府県では実施されていないことや実施されていたとしても予算規模に違いがあることがわかりました。
調査結果も踏まえて、えんじゅを含む3団体共同でこども家庭庁に対して、「地域間格差是正」「居住支援施策の拡充」など5つの点について政策提言し、若者支援施策の充実を訴えました。
政策提言については、共同提言した首都圏若者サポートネットワークさまの報告をご覧ください。https://wakamono-support.net/news/684/
若者支援団体の強化にむけて
若者支援を行うえんじゅの加盟団体は全国に点在しており、それぞれが孤軍奮闘しているため、団体同士がつながることが、それぞれの地域での支援を充実させる上で必要とされています。
それを受けて10月に、団体同士が交流し、学ぶ場としての全国大会を福岡県で開催し、2日間で対面とオンライン合わせて104名が参加しました。
グループワークでは、若者が就職する際の課題、住居の契約をする際に保証人が必要とされることへの対応などが話し合われました。
また、学ぶだけでなく、共通の思いや課題を持つ参加者が集まることで、お互いを元気づける場にもなりました。
若者支援事業担当 金井より
今年私にとって印象的だったのは、全国大会でした。
えんじゅ加盟団体の皆さんは、こども時代に安心や安全を感じられず、傷ついた経験を持った人たちと向き合っています。
彼らに全力で関わるなかで、「どうしたら良いのか」とスタッフ自身が悩み、途方にくれることも少なくありません。
だからこそ、つらい時はつらい、よかった時はよかった、と素直に言える仲間とのつながりが必要です。
そこでえんじゅは、若者との関係、そして 加盟団体同士のつながりを大切にするために「つらいも よかったも いっしょに」というキャッチコピーを作りました。
今回の全国大会はまさに、「つらいも よかったも いっしょに」を体現する場であったと感じています。
引き続き、全国の困難な状況にある若者たちが地域で安心して暮らせるようになることを目指して、これからも活動していきます。
ご支援のお願い
1年の締めくくりに、寄付で活動を応援してくださいませんか?
重ねてのお願いとなりますが、可能でしたら、都度のご寄付も大きな力になりますのでご検討ください。
※12月中の都度のご寄付はすべて日本事業にあてさせていただきます。
※2024年分として税制優遇(寄附金控除)を受けるには、12月以降のお申込は「銀行振込」をお選びください。
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writer
早瀬 真理絵ソーシャルコミュニケーション事業部
小学生の時期をアフリカで過ごしたことが、国際協力のキャリアを目指したきっかけ。民間企業および省庁での勤務の後、家族の海外駐在で専業主婦となり、アイデンティティクライシスに陥ったこともありました。帰国後は、社会課題の解決を仕事にするという決意を胸に就活を行い、かものはしの組織文化と個性豊かなメンバーに惹かれ、2018年に入職。WEBを通じた広報や資金調達などを主に担当しています。自転車での保育園送迎での子どもとの会話が日々の癒しです。