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date2025.02.28
writer稲川望
「新しい人生を見つけた」 インド・パートナー団体から皆さまへメッセージ
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インド事業チームメンバーとして活動している、スタッフの稲川です。今回は、インドのパートナー団体であるGGBKを皆さまにご紹介します。現地メンバーからのメッセージも預かっているので、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!
contents
40年間、西ベンガルで人身売買に向き合い続ける
インド西ベンガル州に拠点を置くGGBK(Goranbose Gram Bikash Kendra)とかものはしプロジェクトは、2013年から活動をともにしています。GGBKはこのインドの西ベンガル州において、1985年から災害と人身売買に向き合い続けてきたNGOです。貧困や識字率の低さ、男女差別などの社会問題に取り組むことで、すべての人が平等に暮らせる社会を目指しています。特に女性や若者、こども、障害のある人々のリーダー育成に力を入れ、尊厳を持った生活を支援しています。
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2023年11月GGBKの皆さまとかものはしメンバーで(最前列左から2番目、筆者稲川)
洪水がもたらす人身売買のリスク、災害管理にも取り組む
GGBKが拠点を置く西ベンガル州south24区は、災害多発地域であり、特にサイクロンが直撃するとたびたび洪水が発生してきました。
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農村部の様子。西ベンガルや隣国のバングラデシュでは、洪水は豊かな土壌をもたらす恵みとも考えられ、「ボンナ」という名前が女子に付けられることもあります。
かつて洪水により村全体が大きな被害を受けたこともありました。さらに河口はベンガル湾に面しているため、洪水とともに海水が流れ込み、塩害で耕作ができなくなることもあります。ひとたび災害が起きると周辺地域の人々は土地を離れざるを得なくなり、結果として出稼ぎ先で人身売買の被害や労働搾取にあったりなどの被害が発生していました。
そのため、GGBKでは災害管理を導入し、気候変動によるコミュニティの被害の軽減や回復に取り組んでいます。また、他の組織と協力して調査・研究を行い、政策提言やコミュニティ支援活動も展開しています。
粘り強い活動とメンバーから感じた「なんとかしたい」思い
2023年に訪れた際、GGBKの代表ニハールさんはとても穏やかで、優しい笑顔で話しかけてくれたことが印象的でした。一方でGGBKの歴史について尋ねると、一つの質問に対してひたすら熱く語るような情熱を持ち合わせた方でした。活動の原点は、洪水で全てを失った人たちに対して「なんとかしたい」という強い思いからだったと教えてくれました。
また、長年サバイバー支援に携わるソーシャルワーカーのポンパさんは、サバイバーと過ごす中で難しかったことや学んだことを率直に共有してくれました。
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彼女はケースマネジメント(※)で村を訪れ、サバイバーたちと話をすることがあります。そこでは、サバイバーが何を必要としているのかということや、メンタルヘルスを保って健康に過ごす重要性を伝えることもあります。
それだけでなく、彼女が病院やコミュニティの様々な人々にサバイバーのサポートをお願いして回ることもあるそうです。サバイバーが健康に過ごせるように、繊細な気遣いとアクティブさを兼ね備えた印象を受けました。にこやかな笑顔の裏で、人知れず努力を重ねてきたのだろうと思わせる語りに頭が下がる思いでした。
※支援を必要とする人に対し、適切な医療・福祉・心理的サポートなどを受けられるように調整すること。サバイバーの状況に寄り添いながら、必要な資源に繋げる役割を担う。
GGBK代表・ニハールさんからのメッセージ
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かものはしがリーダーシップネクスト事業とタフティーシュ事業(※)を支援してくださることに感謝いたします。かものはしの支援なしでは、この道を切り拓くことはできませんでした。センシティブな課題に対して、進んで支援をする団体は多くはありません。
かものはしのサポーターはこの課題を選び、熱意をもって支援してくださいました。サバイバーは司法の正義を勝ち取り、新しい人生を見つけていき、人生の価値を理解することができています。
私は彼女たちとともに、多くの人が支援を受けることができるようご協力をお願いします。彼女たちは人生の価値を理解するための道を見いだすことができます。ありがとうございました。
※リーダーシップネクスト事業とタフティーシュ事業についてはこちら
ソーシャルワーカー・ポンパさんのメッセージ
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私はGGBKに10年間関わってきました。日本からのタフティーシュ事業へのご支援により、サバイバーリーダーの裁判やリハビリテーションが進みました。多くのご支援をいただいたことに感謝を申し上げます。
サバイバーたちはプログラムを通して村へ戻り、解放され、経済的な面でも成功を収めています。しかし、帰郷後に周りの人々からスティグマ(※)を植え付けられ、周囲と距離を置かれることもあります。
それでも、さまざまな政府の手続きなどで以前は支援を受けられず、見捨てられていた人々が、皆さまの協力によるプログラムを通して、今日は敬意をもって扱われています。
今後もサバイバーたちはプログラムを通じて、次の世代のサバイバーや地域の仲間たちを支えていくでしょう。やがて、その思いは次の世代へと受け継がれ広がっていくはずです。日本のチームの皆さまへ心から感謝をお伝えします。
※社会や他者が個人に付けた、ハンディキャップや不名誉なレッテルのこと
writer
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稲川望新規事業部
大学時代に国際協力や難民問題・民族紛争に関心を持ち、バングラデシュのNGOでの活動を経験しました。社会を根本的に変え、持続する取り組みを行うポリシーに共感し、2023年に入職しました。現在は管理業務を中心に活動しています。元高校球児だったため、今でも野球観戦は大好きです。