最貧困層の女性のための「健康面」をサポートする2つのプロジェクト
date2013.11.21
こんにちは!現地インターンの田中將介です!
先日書いたブログでは、識字教室を通して、
「生きる力をつける」ということをお伝えしました。
かものはしでは、女性を雇用し、商品を作ってもらい、販売する
だけではないとご理解いただけたかと思います。
女性たちの仕事面だけではなく、生活面においても、
より良くしていきたいと思っているのです。
では、女性たちの健康面はどうでしょうか。
「健康でいる」
そのために、バランスの良い食事をとる、自分の体の状態を知るなど
体調を管理する方法を、私たちは当たり前のように知っていて
それを自然と実行することができますよね。
しかし、工房で働く女性たちは、それを当たり前にできない人もいます。
そこで今回は、女性たちの「健康面のサポート」についてお伝えします。
今回紹介するのは大きく分けて2つ。
ヘルスチェック(健康診断)と、給食制度です。
ヘルスチェックは1年に1度、カンボジアのシェムリアップ市内で行います。
ヘルスチェックの目的は、下記の3つあります。
1. 女性たちに自分の健康状況を知ってもらうこと
2. 自分たちの健康に興味、関心を持ってもらうこと
3. その結果からトレーニング方法や他の改善点を見つけ出すこと
先日ヘルスチェックに行ってきたので、そのときの様子をお伝えします。
市内から約30キロほど離れたコミュニティファクトリーから
バスで移動してきました。
日本の病院のように、待合室で待機し、1人ずつ診断します。
血圧を測ったり、採血のために注射したり。
みんな口をそろえて「痛い痛い」と部屋から出てきました。
痛いのはどの国でも同じですね。笑
※血圧を測定している様子
健康診断が終わったら、
みんなでコミュニティファクトリーに戻り、お仕事の再開です。
結果はその日の午後に出るため、
女性たちは、そわそわしながら結果を待ちます。
このように、定期的にヘルスチェックをすることで、
女性たちの健康に気を使っています。
病気が原因で働けなくなってしまったら、元も子もありません。
元気な姿で仲間たちと活き活きと働いてほしいのです。
続いて、給食制度についてお伝えします。
給食制度は、毎週火曜日と金曜日、週2日行っています。
地元の調理師さんを雇い、130人分のおかずなどを一気に作ります。
多くの女性たちが農村出身なので、白米は各自持参です。
具材を入れ、コトコト煮込みます。
完成!みんなご飯の時間を待ちわびています。
小学校の給食の時間を思い出しますね。
カンボジア人に「1日の中で一番楽しいときは?」と聞くと、
「ご飯のとき!」と答える人が多いです。
それだけ食事は、カンボジアの中で大事な時間なのです。
給食制度を始めた目的は、2つあります。
1. 栄養のある食事をしてほしい
2. 栄養のことを考えてもらうきっかけにしたい
以上、2つのプロジェクトを紹介しました。
この2つのプロジェクトには、ある共通の想いが込められています。
何だと思いますか?
それは、女性たちが自ら主体的に考えてほしい
という想いを込めて行っていることです。
私たちが、一方的に提供しているだけではいけないのです。
一番重要になってくるのは、
何のためにこのプロジェクトを行っているのかを
彼女たち自身がしっかり理解して行うことです。
この考えなしでは、
やっていても意味がないといっても過言ではありません。
前回の識字教育のところで、
「知識がなければ、生きていく上で支障をきたしてしまう」
という話をしました。
健康に関しても同じで、知識がなければ病気の治し方だってわかりません。
以前、健康調査のために、
「水を1日にどれくらい飲んでいるか」という質問をしたら、
「ペットボトル1本分も飲まない」という回答が見受けられました。
水を飲むことが大切だということを理解していなければ、
喉が渇いた時にだけ飲むという生活スタイルになってしまいます。
1日全く水分をとらない子も出てきてしまうでしょう。
「健康第一」はどこの国でも同じ。
毎日元気に働いてくれることが、理想の姿なのです。
このようなプロジェクトを通して、
前よりも彼女たち自身でしっかりと健康面を考え、
維持していけるようになってほしいと思います。
なかなか短期間では身に付くものではないですが、
かものはしでは、この2つのプロジェクトを継続していきます。