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ショップスタッフの日常

date2012.3.18

皆さんこんにちは。
今日は、農村の女性たちが丁寧に作った商品を
「お客さまの手に届ける」お仕事をしている
カンボジア人ショップスタッフの紹介をしたいと思います。
かものはしプロジェクトは、農村で作った商品を販売する直営店を
シェムリアップリアップ市内に3店舗運営しています。
ここ観光のまちシェムリアップには、言葉も文化も違う様々な国から、
沢山の観光客がきていて、私たちが売っているのは
そのような人に向けたお土産品です。
カンボジア人がカンボジアで作った、
100%メイドインカンボジアの商品を、
一人でも多くのお客様に手にしてもらうために
日々お仕事に励んでいます。

文化や価値観の違いに悩む

そこで働くショップスタッフは現在6人。毎日交代で勤務に就きます。
中でも人一倍自主的に働く、ボレイは、現在23歳。
英語が堪能で、しっかりと自分の意見を持っている彼女は、
大学のビジネスコースを卒業した後、かものはしで働き始めました。
.
『かものはしでしっかりとお店のマネージメントを学び、
将来は自分のお店を開きたい』と、
一緒にお店番をしていたある夜打ち明けてくれました。
そんなボレイを筆頭に、かものはしで働くショップスタッフは
自分の頭で考え、行動しています。
私たちがお店作りで大切にしているのは、お客様目線で考えること。
どのような商品配置にしたら、お客様が見やすいのか。
どのような接客をすれば、お客様が気持ちよくお買い物出来るのか。
簡単なことのようですが、それを実践するのはなかなか大変。
あるとき、ショップスタッフが、商品をいくつかセットにし、
ラッピングをして売る方法を思いつきました。
「たしかにお客様に喜んでいただけるかも!」ということで
沢山セットを作って置いてみることにしたんです。
ショップスタッフが張り切って用意してくれたのは、真ピンクと真紫と
真っ赤のリボン。「これは地元の市場で○○円だったのよ」
と得意げに教えてくれました。
しかし、日本人の私たちの感性から言わせて貰えば、
ちょっとどぎつい...そしてとってもチープに見えてしまう...。
少し考えましたが、実際に売ってみることにしました。
結果的に、多くのお客さまからお買い上げいただいたものの、
リボンが違った方が良いという意見を多数いただきました。
そこで話し合いをし、リボンは付けないことになりました。
かものはしのお店は、カンボジア人の手によって作られているお店です。
しかし、買って下さるのはほとんどが海外のお客さま。
カンボジア人の感性だけでは、なかなか上手くはいきません。
違う文化の人達に商品を買っていただくことの難しさを感じた出来事でした。
同時に、私たちスタッフの目標が
「多くの商品をお客様に手にしていただく」
という共通のものなのだと心に刻むことができた、そんな出来事でした。
一緒にショップを運営していく上で大切なことは、
『お互いの価値観・感性を認め合う』こと。
上司から言われた言葉ですが、「違うのは当たり前。まずその事実を
受け止めることで、より良い関係が作れ、素敵なものができる」のです。

トレーニングを通してより素敵なショップへ

また、ショップを運営していると、
時には、自分たちの持っている知識・経験だけでは足りなくなります。
そういう時には、外部から講師を招いてトレーニングをしていただきます。
実際に現在2月から3月にかけて行っている合計4回のトレーニングの内容は
以下のようになっています。
1、店舗にてレイアウトの改善点を洗い出し、自分たちで直してみる
2、前回のトレーニングを踏まえ、その裏にある理論を学ぶ
3、親切で、しかししつこくない接客の方法を一連の流れとして学ぶ
4、実技での復習とそのフィードバック
メモを取り、質問をしながら、トレーニングは進められます。
一時間半、しっかりと集中したあとは、この笑顔。
(写真)
今回のトレーニングでは、理論を学ぶセッションを設けました。
いつもは感性に頼っていたレイアウトも、理論を学ぶことで
より正確に・統一感を持って考えられるようになりました。
【トレーニング前】
20140320 image4.jpeg
【トレーニング後】
20140320 image3.jpeg
例えば、トレーニングを踏まえて商品の陳列を変更しました。
"真ん中を一番高くして綺麗に見せ、大きいものから順に後ろから並べる"
という方法を実際に用いています。
このようにかものはしは、ショップスタッフが自分たちの力で
お店を運営していけるようにサポートしています。

現地の力だけで運営できることを目指して

それは、かものはしのが「現地化」を目指しているから。
自分たちの力だけでファクトリー・ショップを運営していけるようになることを、
大きな目標に掲げています。
時には、弱々しく「帰りたい、来てくれ」と連絡が入ったり、
責任を押し付け合って素直になれなかったりすることもあります。
また、価値観の違いから、理解し合えないことがある時もあります。
それでも時間をかけながら、対等な立場で、
一緒に一つ一つ乗り越えています。
私も含めショップスタッフの目標は全員一緒で、素敵なお店を作り、
1人でも多くのお客様に喜んで商品を買っていただきたいからです。
そして、私たちが毎日めげずにお店の質を向上させるために頑張れるのは、
伝統的ない草を使った手作りの商品を、
カンボジアのお土産として、自信を持ってお勧めできるから。
そんな商品を一つでも多くお客様の手に届けるためにも、
現地ショップスタッフの奮闘は続きます。

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