【前編】みなさん、「夢」ってありますか?
date2015.8.30
こんにちは。高野です。
前回のブログでは、スタッフ全員が集まって
意見交換をするワークショップをご紹介しました。
そして皆さんこちらの写真を覚えていますでしょうか?
▲左の女性がコムソットさん
前回のブログの最後で掲載した写真です。
今回のブログでは、この写真に写っている左の女性、
Kamsoth(コムソット)さんにフォーカスしたいと思います。
彼女は、かものはしのコミュニティファクトリーで働く女性たちの1人でした。
そして、現在はカンボジア事務所のオフィススタッフとして活躍しています。
名前:Kamsoth Mao
年齢:24歳
所属:Sales & Marketing Department, Consignment セールス部門
仕事内容:ホテルやレストランに対し、委託販売の営業等
出身地:Taktok Village タックトック村
(ファクトリーから約7㎞、バイクで約15分の場所にあります)
家族構成:母との2人暮らし
さて、今回は対話形式でコムソットさんにフォーカスしたいと思います。
かものはしとの出会い
T:どのようにしてコムソットさんは、かものはしのコミュニティファクトリーで
働き始めたのですか?
K:私の村で2009年にかものはしが説明会を開き、
そこで彼らが作っている商品を見たのが、私とかものはしとの最初の出会いです。
そのワークショップから約2ヶ月後、かものはしのスタッフが
再び村に来て、村の中でも特に貧しい家庭の女性を、
ファクトリーで働く人の候補として(*1)、私を含め5人選んでくれました。
でも、最終的に5人のうち私1人がかものはしで働くことを決め、
かものはしでのキャリアがスタートしました。
T:その時点では、何のお仕事をしていたのですか?
K:農婦として働いていました。
①対象となる村の村長さんにかものはしの活動を紹介し、協力してもらう。
②村長さんから村民に対してアナウンスをしてもらう。
③興味を持った女性がいれば、かものはしのスタッフがその女性の家庭訪問をして、
ヒアリングを兼ねたインタビューを行う。
④家庭状況や経済状況などをしっかり確認し(最貧困層の女性を積極的に雇用するため)、
正式に雇用契約を交わす。
かものはしで働く理由
T:なぜ、かものはしで働こうと思ったのですか?
K:裁縫を学んでみたかったんです。
もちろん農家として農作業をするのは楽しかったのですが、
裁縫を学んでみたいという気持ちが昔からあったので、働くことを決めました。
そして、もう1つの大きな理由は、
かものはしのコミュニティファクトリーが私の家から近かったからです。
もしファクトリーで働き出しても、夕方には家に戻って家の手伝いができますし、
ファクトリーでの仕事が休みの日曜日は農作業を家族と一緒にすることができます。
T:なるほど。コムソットさんが裁縫を学んでみたかったと思っていたなんて、
少し意外でした(笑)
▲真剣な表情でメモを取っているコムソットさん
さて、かものはしで働きだしたコムソットさんですが、
コミュニティファクトリーで働くのは楽しかったですか?
K:はい。すごく楽しかったです。
他の村から働きにきている女の子たちと友達になれたのが嬉しかったです。
ずっと学んでみたかった裁縫に関しては、働き始めてから
約2ヶ月間は裁縫の工程(*2)に研修生として配属されたので、
学ぶことが出来ました。
2ヶ月後、カッティング工程へと配属され、その半年後にはカッティング工程の中で
シニアのポジション(*3)にまでなれました。
*3:ファクトリーで働く女性のランクには4段階あり、下から
トレイニー(訓練生)、ジュニア、シニア、チームリーダーとなっている。
オフィススタッフになった理由
T:2009年から2011年の約2年、コミュニティファクトリーで働いた後、
オフィススタッフになったと伺っていますが、
どのようにしてファクトリーからオフィスで働くようになったのですか?
K:はい。セールス部門がアシスタントとして働く人を1人募集していて、
まずはファクトリーで働いている人の中から選ぶという機会がありました。
私はそれに応募して、オフィススタッフになりました。
T:どうしてオフィススタッフになろうと思ったのですか?
K:約2年間コミュニティファクトリーで働くうちに、
もっと他のスキルを身につけたり、色々なことを学んでみたいと思うようになりました。
それで、オフィススタッフへ応募を決めました。
スタッフの選考では英語とクメール語の試験があり、全部で15人受験したのですが、
私はその中で1番の成績をとることができたので、オフィススタッフになれることが決まりました。
無事、オフィススタッフになれたコムソットさん。
次回の後編では、オフィススタッフになったコムソットさんのその後をご紹介します。
悩みを葛藤を乗り越え、どう成長していったのか...その様子をお伝えします。
途上国の女性・子どもへの教育支援に関心があり、かものはしでのインターンを決意。大学3年次を休学し、現在はカンボジア事業部の広報・マーケティングを担当している。