【後編】忘れていたもの
date2015.9.25
みなさん、こんにちは。
カンボジア事業部でインターンをしている高野です。
今回は、前編に引き続き後編をお届けします。
前編では、コムソットがかものはしの出会いからオフィススタッフになるまでをお届けしました。
※詳しくはこちら【前編】みなさん、夢ってありますか?
高野(以下、T)
コムソット (以下、K)
念願のオフィススタッフになれた!でも......
T:オフィススタッフを選ぶ採用試験があったのですね!
その過程を経てコムソットさんがオフィスで一緒に仕事をしているなんて、
今まで知りませんでした。晴れてオフィススタッフとなった訳ですが、
当然今までとは仕事内容が大幅に違いますよね。
きっと悩みや葛藤も多かったと思うのですが、そのあたりはどうでしょうか?
K:はい。オフィススタッフになれたのはとても嬉しかったのですが、
働きだして最初のうちは分からないことだらけで泣いてばかりで、
辞めたいと思うことも多かったです。
1番辛かったのは、一緒に働いている人たちと
コミュニケーションを上手くとることができなかったことです。
ファクトリーで働いていた時はクメール語だけ話していれば良かったのですが、
オフィスでは英語も必要です。その当時の私はあまり英語が得意ではなかったので、
仕事で分からないことだらけなのに
それを質問するのでさえも上手くいかないことが多くて、本当に辛かったです。
かものはしで働き続けられる理由
T:今は英語でスムーズにコミュニケーションがとれていて、
いつもストイックに仕事をこなしているコムソットさんからは想像もできない本音ですが、
そんなに辛い時期があったのに、
なぜ、かものはしで今も働き続けることができていると思いますか?
K:当時の私の上司であるマネジャーが、いつも私を助けてくれました。
「どのように良い方向に物事を捉えるか」
「どのように働くか」
など、いつも私にアドバイスをくれていました。
彼のおかげで、私は今もかものはしのオフィススタッフとして働くことができています
T:なるほど。コムソットさんはその上司のおかげで仕事が軌道に乗り始めたのですね。
K:はい。今の販売のスキルを活かし、将来的には自分で村でフルーツを栽培し、
それをマーケットで販売するビジネスをしたいと思っています。
※コムソットさん
T:最後に、コムソットさんに将来の夢はありますか?
K:かものはしで働き始める前、私に夢はありませんでした。
日々の生活や仕事に追われて、「夢」というものを考える時間さえありませんでした。
しかし、かものはしに入って「夢」ができました。
そしてその夢は、私の将来の目標でもあります。
今はまだ自分1人でビジネスをすることはスキルや金銭面から難しいですが、
あと10年後くらいには、ビジネスを始めたいと思っています。
そしてその10年後の目標に向けて、セールスやマーケティング、会計の知識を吸収するべく、
毎日仕事をこなしています。
今は委託販売の営業をメインに行っていますが、
ゆくゆくは卸売りの営業もチャレンジしたいです。
T:コムソットさんが将来の夢をしっかり描けていることに、
驚くと同時に何か希望のようなものを強く感じました。
ありがとうございます。
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今回、私はコミュニティファクトリーで働くひとりから、
オフィススタッフになったコムソットさんにフォーカスしました。
将来の夢・目標を持てるようになった背景には、彼女が任されている仕事に対して、
"一定の成果をあげるにはどのようにすれば一番効果的か、"
などをきちんと考えることができるようになったのだと私は思います。
そして、私たちのファクトリーで働いている女性たち一人一人にも、それぞれ夢があります。
みんなの将来の夢はなんですか?
「豚や牛を家で飼育すること」
「洋服屋さんを開くこと」
少し恥ずかしそうにしつつも、太陽のように明るい笑顔で答えてくれる女性たち。
※コミュニティファクトリーで働く女性たち
私は普段、シェムリアップ市内で営業をメインに行っているので、
日常的な業務の中では女性たちと関わる機会はあまりありません。
困っている女性たちの何か役に立ちたいと思ってカンボジアに来たのに、
彼女たちの将来や未来を明るくする直接的な手助けを出来ていない自分に、
少し負い目のようなものを感じていました。
そのような状況の中で、私がファクトリーの女性たちを身近に感じられるようになったのは、
コムソットさんのお陰だと思います。
英語での意思疎通やPC操作も難なくこなす彼女と仕事をオフィスでしていると、
ファクトリーで働く彼女たちもいつかコムソットさんのようになってほしいな、と思います。
※コミュニティファクトリーで働く女性たち
今回で私が書かせていただくブログは最後となり、カンボジアでの駐在生活も終わります。
カンボジアで生活をするにあたって不安はなかったのですが、
カンボジアの人々と日々触れ合い、彼らの優しさ、
時には鬱陶しいくらいのサービス精神を知れば知るほど、
"何か自分が彼らのためにできることはないだろうか"
その気持ちがより強くなっていくのを感じました。
日本に帰国してからも、カンボジアの発展のために自分は何ができるのかを
考え続けて過ごしていきたいと思います。
途上国の女性・子どもへの教育支援に関心があり、かものはしでのインターンを決意。大学3年次を休学し、現在はカンボジア事業部の広報・マーケティングを担当している。