高校生とオーダーメイド!<高知商業高校がま口作り>
date2016.4.8
2015年8月。高知商業高校の生徒さんから、メールをいただきました。
「かものはしプロジェクトで、がま口を作りたい」とのご依頼でした。
送られてきたのは下記のイラスト。
contents
「がま口って何?」カンボジア人と、
がま口の小銭入れ作りに挑戦!
早速セールスチームと、
当時のインターン生である私、午頭(ごとう)とで相談し、
オーダーメイドのがま口作りに挑戦することになりました。
プロダクションチームのマネージャー、ブッティに
「このがま口を作りたいんだけど」と相談すると、
「がま口って何?」と言われました。
なので、「がま口は日本の小銭入れで、"がま"というのはカエルのことで・・・」と
説明するところから始まりました。
たまたま私はがま口を持っていたので、
スタッフに渡して研究してもらうことにしました。
コミュニティファクトリーでは、
エコバッグやサンダル、財布やコースターなど様々な小物を作っていますが、
がま口は初めてです。
ということでまずは、
「コミュニティファクトリーで作れるかどうか」を判断することから始まりました。
(午頭愛用のがま口(私物)をプロダクションチームのソパンに見せているところ)
いざ試作を作り、生地選び!
数日後、早速ブッティから「試作ができたよ」と連絡がありました。
なんと!きれいにできているではありませんか。
表の布には、コミュニティファクトリーの長財布の裏地にも使用している
サロンの布を使ったそうです。
「すごいね!」と言うと、ブッティは
「口金と布をもっとしっかり接着するために布をもっと厚手にしないとだめ。
あと、がま口の下の部分のふくらみをもっと出したい」とのことでした。
早速、高知商業高校の生徒様にご連絡しました。
当初から「アジアンな雰囲気にしたい」とのご要望をいただいておりましたが、
写真をお送りしたところ試作のサロンの布をとても気に入っていただけました。
ただし、カンボジアのシェムリアップ州では資材がなかなか揃いません。
がま口の口金部分は、日本から送っていただくことになりました。
さて、表の布はサロンの布が第一候補。あとは、裏地をどうするか。
早速、シェムリアップで一番大きな市場へ出かけました!
ブッティから、
「口金部分と布を接着する際に、サロンの生地では薄すぎる」と言われていたため、
裏地を厚めの生地にしたいと考えていました。
カンボジアの特産品である、シルクのゴージャスな生地が多い中、
見つけたのが、デニム生地でした。
表は華やかなサロン生地で、留め具を開けると中はカジュアルなデニム地!
がま口にデニム生地は珍しいし、和風な形とのギャップが可愛い!
生地の厚さも十分でした。即マネージャーに相談し、購入に至りました。
サロンの布も、「自分が日本の生活で使いたい色」をイメージして、
ブルー、グリーン、ピンクの3色を選びました。
使っていただく人が、明るい気分になれて、
「どこで買ったの」と話のきっかけになるようながま口を目指します。
(表側に使う、ブルー・グリーン・ピンクのサロン生地。裏側に使う、デニム生地)
2回目の試作、デザイン決めへ!
布が決まったところで、2回目の試作を作りました。
できあがったものがこちらの写真。
あれ?なんだか...長い。
ブッティによると、がま口のふくらみ部分を表現するために、縦に長くしたのだとか...。
うーん、可愛くない。がま口の可愛さって、
下の膨らみ部分の絶妙な長さもポイントだったのね...。と新たな発見がありました。
「がま口はこういうもの」という先入観のない
カンボジアスタッフだからこその自由さ。
例えばもっと縦を長くして、めがねケースやペンケースならありかもしれない。
オーダーメイドという形で、
新しい商品に取り組むことでプロダクションチームにとっても刺激になると感じました。
ともあれ、今回は小銭入れです。
開けてみると小銭の出し入れが困難なくらい程縦に長かったので、
ブッティには修正をお願いしました。
こうして、デザインが決まったところで、生産作業に入ります。
製作の工程をダイジェストでどうぞ。
がま口の小銭入れ、製作の工程
(1)布を切ります。
(2)布の表裏が同じ柄になるよう組み合わせます。
ひっくり返しても同じデザインになるよう、一個一個確認していきます。
(3)裏側からミシンで縫い合わせます。
(4)ひっくり返して、端を縫います。
これで布部分の完成です。
(5)口金と布を接着します。
口金に布を押し込んでボンド付けし、ペンチで上から押さえます。
このペンチの作業は強い力が必要なため、男性スタッフに手伝ってもらいました。
できあがり!
(がま口を作ってくれたキエンさん。現在は産休中!)
最後に
今回ご依頼いただいたがま口は、
高知商業高校様でフェアトレード商品として販売され、
好評の後、完売されたそうです!
ありがとうございました。
私午頭も、個人的に当初想像していた以上に可愛い商品をつくることができ、
手前味噌ながら感激しました。
また、かものはしコミュニティファクトリーの
スタッフの技術と意識の高さを実感する機会となりました。
コミュニティファクトリーで働く女性たちに
「いま、一番楽しみなことは何?」と聞くと、
「新しい商品を作ること」と語る女性も多いです。
新しい商品へのチャレンジは、農村の女性のスキルにもつながっていきます。
かものはしのストーリーとともに、オーダーメイドはいかがですか?
お問い合わせは、cf-hanbai@kamonohashi-project.netまでどうぞ!
今回作った、がま口の商品
ライター紹介:午頭 由里恵
2015年5月~11月カンボジア事業部現地でアソシエイト。現在は、食で地域をつなぐ場を作るため、飲食店で修行中。