象の神様とは?インドのお祭り「ガネーシャ・チャトゥルティー」
date2013.9.9
こんにちは!
インド好きのインターン黒川が、今日もみなさんにインドの文化に触れて
いただきたく、第2弾としてインドのお祭りをご紹介します!
本日9/9(月)からインドでは、
「ガネーシャ・チャトゥルティー」というお祭りが行われます。
なんのお祭りかというと、ヒンドゥー教の神ガネーシャの誕生を祝うお祭りです。この祭りは、インドの太陽暦バードラパダ月(8〜9月)の新月から
4日目に祝われます。西洋の太陽暦では、通常9月中にあたります。
毎年インド全体で行われますが、マハラシュトラ州のプネーが特に
有名だそうです。
「ガネーシャ」って一体どんな神様なの?と思われる方もいると思います。
こちらがガネーシャです。なにかの動物に見えませんか?
ガネーシャは象の頭をした神様なのです!
インドではとても人気な神様で、至る所にガネーシャの像や絵などを
見ることができます。
よく見るので、インドの宗教や文化を全く知らなかった私でも、インド滞在3日目ぐらいで、すぐにガネーシャを覚えることができました。
また、多くのお土産屋にガネーシャのTシャツなどが売っています。
私も現地で買って早速着てみました。
それを着ているとインド人が話かけてきて、ガネーシャについて私に話してくれるのです。
それぐらいインドには、ガネーシャ神が様々な場所に祭られています。
ガネーシャ神は、力、至福、英知の神様です。
シヴァ神の長男でもあります。
霊性修行者が歩む道のすべての障害を取り除き、
霊的な成功はもちろん、世俗的な成功を授ける神様です。
障害が取り除かれて成功が確かなものとなるように、
通常、何か事を始める前に礼拝されます。
商売の神であるとされているので、多くの商店がスポンサーとなり
大がかりなこのお祭りを行うのです。
ガネーシャの顔は、なぜ象なのか。
疑問に思いませんか?
私たち日本人にとっては見慣れない神様なので、私は不思議に思いました。
それには一つのストーリーがありました。
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パールヴァティ(ガネーシャの母)が、
かわいい息子がほしくて自分の垢(あか)で人間をつくりました。
それがガネーシャです。
息子がとてもかわいいので、パールヴァティはとても気に入りました。
ある日、入浴するのを人に見られるのが嫌だということで、
母パールヴァティはガネーシャに、
「私がお風呂に入っている間は、誰も家に入れてはダメですよ。」
と言ってお風呂へ行きました。
ガネーシャはパールヴァティの言うとおりに、
誰が来ても絶対に中に入れませんでした。
そこへシヴァ(パールヴァティの夫、ガネーシャの父)が帰ってきました。
シヴァが中に入ろうとしても、ガネーシャはパールヴァティとの
約束を守るため、誰であろうと絶対に中に入れません。
ガネーシャが自分の息子であることを知らなかったシヴァは、
「人の留守中に誰だこの男は!」と怒り狂い、
その場でガネーシャの首を切ってしまいます。
それに対し、さらに怒ったのは母パールヴァティです。
そんなパールヴァティを見て恐くなったシヴァは、
「この後一番最初に目の前を通った者の首を切ってガネーシャに付ける」 と約束します。
そして約束どおり、
最初に通ったものの首を切ってガネーシャにくっつけたわけですが、
それがたまたま「象」だったので、ガネーシャは「象の頭、人の体」に
なったのです。
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ジヴァ神が簡単に首を切ってしまうのも驚きですし、
納得できるようなできないようなとても不思議な話ですよね。
この他にも、理由があります。
全ての動物の中でもっとも大きい象の頭をもつことは、
ガネーシャ神がすべての動物の創造者であることを意味します。
象はとても賢い動物です。これは、ガネーシャ神が英知の象徴であることを示します。
象であることに様々な理由があるのです。
このお祭り「ガネーシャ・チャトゥルティー」は、10日間の祈りののち、
ガネーシャが海に帰っていくところでクライマックスを迎えます。
初日に粘土質の土で作り、きれいに装飾されたガネーシャの像を家の中
ないしコミュニティに運び入れ、9日間毎日祈りを捧げます。
そして、最終日の10日目、朝から人々は大きな祈りを捧げ、
自分たちのところに光臨してきてくださったことに感謝を捧げ、歌い、
大きな太鼓を中心とした音楽隊が先導する中、海や川に向かって地域の中を練り歩きます。
先導隊は大音響の爆竹を大量に炸裂させながら、ガネーシャの先を
浄化します。この爆竹は、日本では違法として使用できない大きな音だそうです。
ムンバイには人々が良く集まるビーチが3箇所ありますが、
昼から始まった行進が夜にビーチに着き、
そこには溢れるばかりの人々と多くのガネーシャの像がとぐろを
巻いています。
そして人々が大きな祈りを捧げる中ガネーシャは海へ帰っていくのです。
なお、海へ帰っていくとき、ガネーシャはその場にいる人の罪、
障壁、病、悪運などを全て持っていってくださる、とされています。
そして人々は、来年もまたガネーシャが自分の家やコミュニティに
戻ってきてくれることを心から祈るのです。
昨年、実際にお祭りに参加したかものはしスタッフの清水によると、
ガネーシャが海に帰るクライマックスの日、参加している人々の多くは
涙を流しているのを見て、そのお祭りが単なるお祭りではなく、
人々の心に深く根ざしていることを実感したといいます。
最終日の熱気、誰も指揮をとらないのに、
参加しているコミュニティの人々が一糸乱れず隊を組み、
一心不乱にお経を唱えながら踊って行進していく様は、
見ている者の心を強く打ちました、と言っていました。
相手の国で何か活動をするとき、相手の文化や宗教を理解し、
それを尊重することが、事業を進めていく上でとても重要です。
お祭りについて調べることで、ヒンドゥー教で崇められている多くの神様やインド人の考え方などについても知ることができ、
単純に「知れて楽しい!」と思ったので、皆さんともシェアしたいと
思いました!
"旅×ボランティア"で世界一周を経験。その後、かものはしでインターンを始めた大学3年生。世界一周中に回った国で1番好きな国はインド。