子どもが売られない世界をつくる | 認定NPO法人かものはしプロジェクト

What we doかものはしの活動

Japan日本での活動

誰もが生まれてきて良かったと
思える社会をともにつくる

カンボジア、インドでの活動を進めている一方で、ずっと気になっていたことがありました。
それは日本の子ども・若者を取り巻く状況です。
2015年頃から私たちのもとに虐待や貧困で苦しむ子ども・若者の声が寄せられ、
ずっと歯がゆさを感じていました。
日本でも、子どもの尊厳が踏みにじられているという現状を変えたい。
私たちは、2019年から日本国内での活動をスタートしました。
子どもが虐待されない、そして虐待された人が回復できる社会をつくるために、
孤立しがちな妊産婦の支援、児童養護施設などを出た若者の巣立ちの応援、
子どもや養育者にやさしい地域づくりに取り組みます。

※児童養護施設や里親家庭を出た子ども・若者たちの多くが、経済的な後ろ盾もない中、
精神的な不安を抱えながら、社会に出ていくことを余儀なくされている

Our Approach / 日本での活動 01 孤立しがちな妊産婦によりそう

虐待の予防に取り組むために、孤立しがちな妊産婦の、
地域の中でのつながりを育む活動を行っています。

The Issue / 課題 児童虐待の裏にある親の孤立

日本では、毎年、児童虐待相談対応件数は増え続け、2020年には20万件以上にものぼりました。また、年間約50人の子どもたちが虐待死に至っているという悲しい現状があります。深刻な虐待に至ってしまった人たちの多くが、出産以前から様々な困難(経済的困難、精神的不安定、予期せぬ妊娠やDVなどの複雑な事情など)を抱えていたにも関わらず、頼れる家族がいない、行政に助けを求められない等、社会から孤立していた、という特徴があります。彼女たちが、誰かとつながり、誰かが寄り添えていたら、違った未来があったかもしれません。

Our Approach / かものはしの取り組み 孤立しがちな妊産婦がつながれる
「居場所」を育む

妊娠期からの社会のつながりを育むことが、誰かに頼っても良いという心の余裕を生み、虐待の予防につながるのではないか。そんな考えのもと、孤立しがちな妊産婦が安心して過ごし、誰かとつながることができる「居場所」の立ち上げに取り組んでいます。そして、彼女たちが人とのつながりや支援の網の目からこぼれ落ちることがないよう、支援団体や行政の連携を促進するための活動を進めています。将来的には、その経験を踏まえた発信や政策提言を通じて、孤立した女性とその子どもたちの「つながり」を増やし、虐待の予防を図ります。

Our Approach / 日本での活動 02 児童養護施設などをでた
若者の巣立ちを応援する

虐待などを経験し児童養護施設などを退所した若者たちが、
豊かなつながりのなかで、自分の人生を生きることができるよう、取り組んでいます。

The Issue / 課題 児童養護施設や里親家庭などをでた後に
立ちはだかるたくさんの困難

虐待や親との離別を経験し、社会的養護のもとで育った子ども・若者たちは、18歳になると、高校卒業と同時に児童養護施設や里親のもとを出ることがほとんどです。頼れる実家がない多くの若者たちは、経済的な後ろ盾もない中、自ら生活費や学費を工面したり、無条件に頼れる人がいないという孤独やトラウマなど心の傷からくる精神的な不安を抱えながら、自らの人生を切り拓いていかざるをえない状況にあります。

※親など保護者のもとで育つことが難しい子どもたちを、児童養護施設や里親など社会の仕組み・関わりの中で養育すること

Our Approach / かものはしの取り組み 社会的養護を経験した若者が
安心して
巣立つことができる社会の仕組みづくり

児童養護施設などを退所した若者たちが、児童養護施設や支援団体などとのつながりを持ちながら、安心して巣立つことができるような社会の仕組みづくりに取り組んでいます。若者たちに寄り添う児童養護施設や支援団体がすでに手一杯な中、どのようにしたら若者たちとつながり続けることができるか、他地域の知見などをもとに、共に考え実行しています。また、その現場の声を制度に反映させるための政策提言の活動を行っています。

Our Approach / 日本での活動 03 地域のつながりや連携を育む

地域の多様な組織や人々のつながりを豊かにし、
みんなで子どもや家族を支える地域を育む取り組みを行っています。

The Issue / 課題 孤軍奮闘する地域のたくさんの組織や人々

児童虐待などの課題に取り組む民間支援団体や行政機関は地域にたくさん存在し、その一人ひとりが精一杯活動を行っています。それにも関わらず、児童虐待がなくならないのはなぜか。そのひとつは、地域のたくさんの人々や関係機関が、つながりあい、お互いを理解しあい、連携するということがまだ不十分で、それにより、地域が持っている本来の力を十分には発揮しきれていないからではないでしょうか。

Our Approach / かものはしの取り組み 子どもや養育者にやさしい地域づくり

地域の中で子どもや家族を支える行政や民間団体、さまざまな人々の対話の場づくりを通じた連携の促進や、地域文化を育んでいくための取り組みを、地域のパートナーと共に行っています。主に、千葉県松戸市の「まつどでつながるプロジェクト」とパートナーシップを組み、子どもや子育ての孤立を防ぐための活動を行っています。

Voiceパートナー団体からの声 「本当に実現したいことを考えることが
できました」

Miwa Yamada

山田 美和

まつどでつながるプロジェクト代表

皆さんには、2020年に弊会が採択された助成金の伴走支援者としてお世話になったことがきっかけで、3年間あたたかく支えていただきました。普段の業務や活動に追われ、どうしても視野が狭くなりがちな時に、これまで培われた多様な視点から的確なフィードバックをいただけたことで「本当に自分たちが実現したいことは何か?」を立ち止まって考えることができました。松戸に限らず、様々な支援や制度があってもつながることなく、困難さを抱え込んでしまう家庭がたくさんいます。私たちは今後も草の根で当事者と向き合いながら、その苦悩と幸せの声と共に進んでいけるよう、かものはしプロジェクトの皆さんとも連携していきたいと考えています。

まつどでつながるプロジェクト

私たちは千葉県松戸市で活動している3つのNPOを中心にコンソーシアムを組み、同じく子育て支援に関わる様々な団体や組織、行政の各課と連携しながら運営しています。支援者同士がつながる場づくり、アウトリーチ活動などの取り組みを通して“ふつう”の家庭で起きている子どもや子育ての孤立を予防し、「誰もが共に寄り添い、自分らしく生きられる社会」の実現を目指しています。

Feature Report日本の特集レポート

カンボジア、インドという事業地・海外で活動してきた私たちが、
なぜ日本国内での活動を始めたのか、ぜひ、共同創業者の村田の特集レポートをご覧ください。

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日本国内で子どもが尊厳を踏みにじられている状況...

Report of India

日本年次報告書

日本で活動を始めた想い

海外で活動をしてきた私たちが、なぜ日本国内の問題に取り組んでいるのか、活動を始めた想いを伝えさせてください。2002年から活動を始め、日本全国で「子どもが売られる問題」を伝えてきました。その中で、活動に関心を持ってくれた子ども・若者が熱心に伝えてくれた話を聴き、実は日本の子どもたちも見えづらい暴力や搾取の被害にあっていることを知りました。

カンボジアやインドで、だまされて売春宿に売られている子どもたちと会ってきましたが、日本でも、暴力や搾取の被害にあった経験のある子どもたち、若者たちに会うことがありました。家が安全な場所ではなく、家庭内の暴力から逃れるため、冬に凍えながら公園で眠ったり、ネットで助けを求めて泊めてくれた人から性行為を強要されるなどの状況でした。

だまされて売られてしまう
子どもたちのために、
今あなたにできることがあります。

「子どもたちを守る」10,000人の仲間が待っています。
月1,000円からのご支援をお願いします。